サイトのページの読み込み速度を上げても意味がないという話
サイトのページの読み込み速度を上げれば、検索順位が上がりやすくなるというような話が一時期ありましたが、実態はそうではないという事実が出てきたようです。
100 万サイトを調査した結果、ページの読み込み速度は1ページの検索順位の順位と相関関係がなかったそう
つまりページスピードを上げても、順位が上がる訳ではないということ。… pic.twitter.com/MexriSOWEa— 長屋智揮 | XINOBIX@オウンドメディア支援 (@gayan_x) November 8, 2024
サイトのページの読み込み速度は具体的な数値で見ることができるので、改善が他のことと比べやりやすいのですが、ここに力を入れるのは間違っているということですね。
ページ速度最適化にまつわる誤解
これまで多くのWeb担当者やSEO専門家が、ページの読み込み速度を重要な順位要因として捉えてきました。Googleも以前から、ページ速度を検索ランキングの要因の一つとして挙げていたため、この考えは広く受け入れられてきました。
実際に、Core Web Vitalsという指標が発表されて以来、多くの企業がページ速度の改善に多大な時間と予算を投資してきました。開発者は画像の最適化やJavaScriptの圧縮、サーバーの応答時間の改善など、様々な技術的な施策に取り組んできました。
しかし、今回の調査結果は、そうした努力が必ずしも検索順位の向上には直結していないことを示しています。これは決して、ページ速度が全く重要ではないという意味ではありませんが、少なくとも検索順位との直接的な相関関係は見られないということです。
本当に重要なのは何か
では、検索順位を向上させるために本当に重要な要素は何なのでしょうか。従来から言われているように、質の高いコンテンツの提供が最も重要な要素であることは間違いありません。
ユーザーが求める情報を適切に提供し、その内容が信頼できるものであること。また、そのコンテンツが適切に構造化され、検索エンジンにも理解しやすい形で提供されていることが重要です。
さらに、サイトの信頼性を示す要素として、適切な内部リンク構造や、権威のあるサイトからの被リンクなども、依然として重要な要素として挙げられます。これらの要素は、一朝一夕には改善できませんが、長期的な視点で見れば確実にサイトの価値を高めることにつながります。
ユーザー体験としての速度の重要性
ただし、ページ速度が全く重要ではないというわけではありません。検索順位との直接的な相関関係は見られないものの、ユーザー体験という観点からは依然として重要な要素です。
極端に遅いページ読み込みは、ユーザーのフラストレーションを招き、直帰率の上昇やコンバージョン率の低下につながる可能性があります。特にモバイル環境では、ユーザーの忍耐力は限られており、3秒以上の読み込み時間があると、多くのユーザーがページを離脱してしまうという調査結果もあります。
したがって、極端に遅いページ速度は改善する必要がありますが、それ以上に細かい最適化にこだわる必要性は低いと言えるでしょう。
リソースの適切な配分
この調査結果を踏まえると、Webサイトの改善に向けたリソースの配分を見直す必要があります。これまでページ速度の改善に多くの時間と予算を投じていた場合、その一部を他の重要な施策に振り向けることを検討すべきでしょう。
例えば、コンテンツの質を高めるためのライター育成や、ユーザーリサーチの実施、より効果的なコンテンツ戦略の立案などに、より多くのリソースを投資することができます。
また、サイトの構造改善やユーザビリティの向上、モバイル対応の強化など、より本質的な改善に注力することで、長期的な成果を期待することができます。
今後の改善施策の方向性
では具体的に、今後どのような方向性で改善を進めていくべきでしょうか。まず重要なのは、自社のサイトが抱える本質的な課題を正確に把握することです。
アクセス解析やユーザーの行動分析、競合調査などを通じて、現状のサイトが抱える課題を明確にし、優先順位をつけて改善を進めていく必要があります。
その際、単純な数値の改善だけでなく、実際のユーザーにとっての価値向上を常に意識することが重要です。ページ速度のような技術的な指標に過度にとらわれることなく、ユーザーにとって本当に価値のある改善を進めていくべきでしょう。
データに基づく意思決定の重要性
今回の調査結果は、私たちにデータに基づく意思決定の重要性を改めて認識させてくれました。「〇〇が重要」という一般論や、過去の成功体験に基づく思い込みではなく、実際のデータに基づいて改善の方向性を決定することが重要です。
そのためには、自社のサイトについても継続的なデータ収集と分析を行い、どの施策が本当に効果があるのかを見極めていく必要があります。A/Bテストなどを活用して、仮説検証を繰り返していくことで、より効果的な改善が可能になるでしょう。
また、業界の動向や最新の調査結果にも常にアンテナを張り、新しい知見を取り入れていく姿勢も重要です。
コスト対効果を考える
ページ速度の改善は、技術的な知識や専門的なスキルが必要となるため、多くの場合、相応のコストがかかります。今回の調査結果は、そうしたコストが本当に見合う投資なのかを再考するきっかけを与えてくれました。
限られたリソースの中で最大の効果を得るためには、各施策のコスト対効果を慎重に検討する必要があります。ページ速度の改善に投資するのであれば、それによって得られる具体的なメリットを明確にし、他の施策と比較検討した上で判断すべきでしょう。
まとめ
今回の調査結果は、私たちのWebサイト改善に対する考え方を大きく変えるものでした。ページ速度と検索順位の間に明確な相関関係が見られないという事実は、これまでの常識を覆すものと言えます。
しかし、これは決してページ速度が全く重要ではないということではありません。適度な読み込み速度は依然としてユーザー体験の重要な要素であり、極端に遅いサイトは改善する必要があります。
重要なのは、この知見を踏まえた上で、限られたリソースをより効果的に配分することです。コンテンツの質の向上や、ユーザビリティの改善など、より本質的な価値向上に注力することで、長期的な成果を期待することができます。
データに基づく意思決定を心がけ、常に最新の知見を取り入れながら、ユーザーにとって真に価値のある改善を進めていくことが、これからのWeb担当者に求められる姿勢と言えるでしょう。